東京・立川プレイミュージアムで開催された「みみをすますように 酒井駒子展」のレポートです。『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』などで知られる、絵本作家・酒井駒子さんの本格的な個展。静謐さをたたえた美しい絵と、詩的な文が響き合う約200点の原画とゆっくり向き合える空間は、”ひそやかな 絵とことばを めぐる”新しい体験でした。酒井駒子展は今後も各地で巡回予定です。
「みみをすますように 酒井駒子」展 今後の巡回予定
2021年12月11日(土)ー2022年1月30日(日)長島美術館(鹿児島)
終了
2022年7月9日(土)〜8月28日(日) 兵庫県立美術館ギャラリー棟3階(神戸)
立川プレイミュージアム 酒井駒子展
立川プレイミュージアムで開催された「みみをすますように」は酒井駒子さん初となる本格的な個展です。『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』など、子どもや動物、情景の繊細な描写と詩的な文章で多くの人々を魅了してきた絵本作家・酒井駒子さんの作品の中から約250点の原画が展示されています。
個展会場では、『よるくま』『よるくまクリスマスのまえのよる』『ビロードのうさぎ』『きつねのかみさま』『くまとやまねこ』・・・特製の額やケースに収められた絵本の原画を見ながら物語をたどります。
『BとIとRとD 』のボール紙を素材にしたコラージュ作品も間近に見ることができます。また、黒色で下塗りする画風が定着する前に描かれたデビュー作『リコちゃんのおうち』の原画も貴重です。
時が止まったかのような静かな空間「みみをすますように」・・・。そこには、絵本の中の子どもたちや動物たちがひっそりと待っています。
酒井駒子 みみをすますように
「みみをすますように 酒井駒子展」は約250点もの原画が展示されています。20冊を超す絵本や書籍の原画の中には、雑誌「母の友」(福音館書店)の表紙用に描かれた原画もあります。
展覧会の会場は「ある日」「ひみつ」「こみち」「はらっぱ」「こども」「くらやみ」と6つに分けられ、それぞれイメージに沿った空間で、原画の魅力に触れることができます。特に、白いカーテンで仕切られた空間に『よるくま』の原画などが展示されている撮影NGの展示エリアは静かに絵本の世界に浸れる素敵な場所です。
杉材の特製フレームやケースが並んでいる空間は、まるで絵本の森のよう!会場デザインは京都在住のフランス人建築家・2m26(メラニー・エレスバクとセバスチャン・ルノー)が担当されています。
絵本『BとIとRとD』の原画は段ボールやボール紙を使ったコラージュ。黒い絵の具の滲み具合や段ボールの粗い切れ端、少し色褪せたレースなど、作品の持つ粗さと細やかさ、少女や動物たちの繊細な表情などがダイレクトに伝わってきます。
会場内には酒井駒子さんの山のアトリエ周辺の映像や音が流れ、所々にご愛用の小さなおもちゃやオブジェも飾られています。
「みみをすますように 酒井駒子」展にあわせて展覧会図録も刊行されています。表紙の絵は「手に鳥を乗せている」というタイトルの描き下ろし。ブックデザインの担当は、『金曜日の砂糖ちゃん』を手掛けたcozfish(祖父江慎+藤井瑶)です。これまでの絵本を中心にした約300点の原画と約30点のラフスケッチは必見!400ページを超す美しい画集は宝物にしたい一冊です。
酒井駒子グッズと来場者プレゼント
立川プレイミュージアム「みみをすますように 酒井駒子」展の来場者には酒井駒子さんオリジナルグッズ「イラスト入り紙製ファイル」のプレゼントがあります。また、『金曜日の砂糖ちゃん』の「草のオルガン」や『よるくま』など4つの物語の文章の一部が書かれた紙片「ことばひろい」を持ち帰ることもできます。展覧会を見終わった後も、「絵とことば」の余韻を楽しめるなんて素敵ですよね。
また、会場のグッズコーナーには酒井駒子さんの絵本、書籍、雑貨など展覧会限定のオリジナルグッズがたくさん用意されています。「みみをすますように 酒井駒子」展覧会図録、特製ポストカード、複製画、雑貨など他ではなかなか手に入らない特製グッズばかりです。
◆展覧会限定の酒井駒子さんグッズ
・マスキングテープ(5種)
・透明な樹脂に閉じ込めたピンズ(7種)
・黒い帆布のブローチ(6種)
・よるくまのフェルトと刺繍のブローチ(2種)、
・サシェオーナメント(7種)
・森のノート&よるくまのグラス
・トートバッグ(M)(4種)
・ポーチ(4種)
・クロッキー帳
・紙ファイル(4種)
・小箱(4種)
・スリーブ箱 (クリップ入り)
・森のステッチ箱
・□ちゃんのポストカード箱
・紙ファイル(4種)
・ポストカード
・ポストカードスタンド
・ポスター
・複製原画(9種)
・『金曜日の砂糖ちゃん』の金平糖(2種)
・『金曜日の砂糖ちゃん』のジャム(2種)
酒井駒子さんの絵本の世界をモチーフにした可愛い雑貨や文具たち・・・どれにしようか迷います。
会場内のカフェには「みみをすますように 酒井駒子」展オリジナルのカフェメニューもあります。「よるくまカレー」、「ロンパーちゃんのふうせん」のパフェ、「ビロードのうさぎ」ラテ・・・どれも思わず写真を撮りたくなる愛らしさ。食べるのがもったいないですね。
「みみをすますように」展覧会スケジュール
「みみをすますように 酒井駒子」展 、今後の巡回は、2021年12月11日(土)ー2022年1月30日(日) 長島美術館(鹿児島)以降、関西を含む数会場が予定されています。
【「みみをすますように 酒井駒子」展覧会情報 】
◆もういちど「みみをすますように 酒井駒子」展(東京)終了
2021年9月18日(土)−11月14日(日)立川プレイミュージアム
◆「みみをすますように 酒井駒子」展(鹿児島)終了
2021年12月11日(土)ー2022年1月30日(日)長島美術館
◆「みみをすますように 酒井駒子」展(兵庫)
2022年7月9日(土)〜8月28日(日)
兵庫県立美術館ギャラリー棟3階
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間/10時〜18時(入場は17時半まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料/一般 1,500(1,300)円 、高大生 1,100(900)円、小中生 500(300)円
※( )内は前売券料金。前売券は2022年5月9日(月)〜7月8日(金)販売予定。
最後に
「みみをすますように 酒井駒子」展は ”森の中、街の中をゆったりとめぐりながら、絵とことばに出会う、そんな新しい体験”ができる展覧会です。酒井駒子さんファンや絵本が大好きな方、ぜひご覧くださいね。
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