『若草物語 クックブック』物語に出てくるお菓子とお料理レシピ 

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若草物語の四姉妹たちが織りなす作品世界とお料理レシピがたっぷり詰まった『若草物語 クックブック』が出版されました。美しい写真やイラストと共に紹介される物語の中に登場するお菓子や食べ物のレシピは、現代風にアレンジされているので実際に作って楽しむことができます。ルイーザ・メイ・オールコットの原作「若草物語」を思い出しながら、四姉妹たちが味わったすてきなレシピを再現してみませんか。

若草物語 クックブック

『若草物語 クックブック』は、小説「若草物語」の物語に出てくるお菓子やお料理のレシピが美しい写真と共に50種類も紹介されているすてきな本です。かわいいイラストと共に紹介される四姉妹たちの作品世界がかわいいイラストで表現され、現代風にアレンジされた本格的なレシピは、実際に作って楽しむことができます。

「ハンナの朝食」、「家族と友人との集い」、「マーチ家のディナーとサパー」、「甘いおやつ・デザート・飲み物」と4つの章で構成される若草物語のレシピは、ブランマンジェやボンボンなどのお菓子をはじめ、ローストビーフやサンドイッチなどどれもおいしそうなものばかり。

例えば、第1章「ハンナの朝食」のそば粉のパンケーキ、“インディアンミール”のグリドルケーキ、エイミーの好きな“クリスマス”のマフィン、母さまに食べさせたい上等オムレツ・・・、第2章「家族と友人との集い」のメグのカラントゼリーソース、ジョーのえびを使った(シェルフィッシュ)レリッシュ、スパイス貿易のデビルドエッグ・・・、第3章「マーチ家のディナーとサパー」のメグのチキンとマカロニのスープ、ニューイングランド風フィッシュチャウダー、ハンナのコテージパイ・・・、第4章「甘いおやつ、デザート、飲み物」のエイミーの”ライムピクルス”シュガークッキー、ベア先生のチョコレートドロップ付きバニラバタークッキー、ジョーのジンジャーブレッドなどなど、レシピのタイトルを見ているだけでワクワクします。

『若草物語 クックブック』の著者ウィニ・モランヴィルさんはティーンエージャーの時に読んだ『若草物語』に魅了され、フードライター兼編集者として、愛情を込めて作った料理をリサーチしクックブックを書くことが夢だったそうです。ただし、マーチ家の人々と全く同じ作り方ではありません。何故なら当時と同じ方法を使った場合、ブランマンジェ作りは、仔牛の足を煮出してゼラチンを取ることから始めなくてはならないからです。

とはいえ、それぞれのレシピには、マーチ家の人々が家族や友人や隣人たちと一緒に味わった料理の精神が凝縮されていることは間違いありません。マカロニ・アンド・チーズの表面に焦げ目をつける際、熱したシャベルの代わりに電気を使える現代に感謝しながら、若草物語の料理を堪能しましょう。

若草物語のおいしい食べ物

若草物語のおいしい食べ物に着目した『若草物語 クックブック』を読むと、マーチ家の四姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミーが織りなす物語の魅力が深まります。例えば、病気のベスに「メグはいそいそと白い手をよごしたり、やけどをしたりしながら、”いとしい妹”のためにおいしい食事をこしらえる」場面や、貧しいドイツ人移民家族にクリスマス用のごちそうを朝食を譲った姉妹がパンとミルクだけの質素な朝食で我慢する場面など、心温まるお料理のエピソードからマーチ家の愛情あふれる精神がじわじわと伝わってきます。

ブラマンジェを作る時に砂糖と塩を間違えて痛い目に遭うジョー、どんなに不機嫌な寒い朝でも姉妹にために熱々の二つ折りパイを作ってくれる料理人ハンナ、母親の朝食を作ろうとしオムレツやビスケットを台無しにし「家事は生やさしいことではない」と学ぶ姉妹など、食べ物が若草物語の全編を通じて大きな役割を果たしていることがわかります。心を込めて作られた食べ物は、若草物語の中心的存在だったのですね。

「ああ、あなたたちがどれだけ長生きしようと、これ以上の幸せは祈ってあげられないわ」とピクニックで語った四姉妹の母さまのように、『若草物語 クックブック』の簡単なレシピをみんなで仲良く分け合えば物語の世界がより深く味わえるでしょう。

若草物語 ライムの砂糖漬け

若草物語のライムの砂糖漬けは特別な食べ物ですが、『若草物語 クックブック』では「エイミーの”ライムピクルス”シュガークッキー」として登場します。冷ましたクッキーにライムフロスティングを塗り、くし形のゼリーをトッピングしたシュガークッキーはさっぱりとして美味しそうです。

エイミーは学校での社会的地位を維持するため、ライムの酢ピクルス漬け(当時、女学生のあいだで流行っていた食べ物)を同級生にどうしてもおすそ分けしたいと言いますが、悲しいかな、その努力は実りません。

「それから瞬く間に、エイミー・マーチがおいしいライムを24個も持っていて、みんなにごちそうするつもりらしいとの噂が「お仲間」のあいだに広まり、級友たちがあからさまにちやほやするようになった。ケイティ・ブラウンはその場で次のパーティーにエイミーを招待し、メアリ・キングズリーは休み時間まで腕時計を貸してあげると言ってきかなかった。」

エイミーと友人たちが愛してやまないライムピクルスですが、果物の甘酸っぱい風味を楽しむには、このクッキーのほうが遊び心があって(それに酸っぱさ控えめで、食べやすい)いい方法だとわかるでしょう。

マーチ家の人々が楽しんだお料理を作って、魅惑的な物語の仲間入りができたら幸せですね。


ルイーザ・メイ・オールコットの「若草物語」クックブック 四姉妹たちの作品世界とすてきなレシピ [ ウィニ・モランヴィル ]

可愛い絵本のようなレシピブックは、若草物語のファンの方はもちろん、童話やお菓子が好きな方へのプレゼントにも最適です。

まとめ

『若草物語 クックブック』で紹介されているお菓子やお料理はどれも食べてみたいものばかり。このクックブックを書いたことで『若草物語』に惚れ直したという著者ウィニ・モランヴィルさんのように、マーチ家の人々の食べ物を分かち合うことで、もう一度多くの読者が物語に惚れ直すことでしょう。

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